約2.5 倍の拡張移転。多くの個室と働きやすい執務エリアを両立する
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約2.5 倍の拡張移転。多くの個室と働きやすい執務エリアを両立する
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株式会社識学の移転理由は、業績好調によるオフィス拡張だ。109坪から261坪と大きく広がったフロアの中に、5つの会議室と大きなセミナールーム、取締役員室を増やした上、執務エリアを約2倍まで拡大。会社の顔となるエントランスも、インパクトのあるデザインに作り込みたい。そんなプロジェクト規模とは裏腹に、ビルの契約から入居まで2ヶ月程しかない、タイトな進行だった。
「 他社の提案とも見比べてグッドライフに決めたのは、当社のことをよく理解してくださっていると感じたからです。識学は、組織を機能的に動かす為の理論をご提供している会社。感覚に頼らない、ある意味ビジネスライクなスタンスを大切にしています。スケジュールが短い中でそういう細かなご説明をしなくても、きちんと社風に合わせて、シンプルで無機質なデザインを提案してくれました」(識学ご担当者・I氏)。実際に採用されたエントランスのビジュアルも、コンペ段階で提案したものから大きく変わらなかった。正面に大きくあしらわれたロゴがビルの外からも覗く、印象的な空間だ。大崎駅直結の2Fコンコースからも、車寄せがある1Fからもアクセスでき、洗練された印象にブレはない。
Point 01
拡張性・コスト・業務効率のいずれも譲れない
デザインの他にこだわったのは、やはりレイアウト。必要な個室の数や部署が多い為、ゾーニングは緻密に考える必要があった。細かな調整を務めた識学ご担当者のH 氏は、こう振り返る。「エントランス近くには経営推進部の島、こちらには倉庫とパントリー、などと条件をざっくり箇条書きして、レイアウトをお願いしました。必要な要素を洗い出す為のExcel シートも頂けたおかげで、スムーズに作業を進められたと思います」。
執務エリアは、今後の拡張性も考えてフリーアドレス制に移行。「フロア全体を見渡し、業務効率・各部屋ごとの連携がスムーズにとれる位置に、オーソドックスな長方形の形で執務エリアを確保しました。長方形の空間が、一番効率的に席数を増やせるからです。現状のデスクは110名分ですが、リフレッシュエリアや複合機の位置なども工夫すれば、最大170 名が座れるまでに拡張できると思います」(グッドライフのプロジェクトマネージャー・菅原氏)。
フロア面積は前オフィスの2.5 倍なのに、増やしたキャビネットの数はわずか3 個のみ。代わりにパーソナルロッカーを導入して、社員個人の紙資料を削減させつつ、働きやすさを向上した。全国のお客さまとWeb 会議を行う為の専用ブースも、新たに3つ設けている。「私たちの要望をきちんとかみ砕いた上で『既製品の個室ブースを購入すると予算はこの位』『自分たちで防音の個室を作ればこうなる』などと、柔軟に提案してくれました」と、I 氏は満足げに語った。
Point 02
柔軟なプランニングと、顧客負担を減らすフォロー
短い期間で滞りなくプロジェクトを進めるには、大きく分けて2つのケアが必要になる。ひとつは、ニーズを汲み取って素早くプランニングすること。「こちらが一旦要望を出したら、その時点で出来ている計画をフレキシブルに練り直して、矛盾がないように全体を組み立ててくれるんです。結局『前の案に戻してほしい』というケースもあったけれど、その機動力と体力にはとても感謝しています」(識学・I 氏)。
もうひとつのケアは、とにかく顧客の負担を減らすことだ。今回は大手不動産会社が管理するビルへの移転だった為、識学から関係者やビル管理者へ連絡をしなければならない場面がしばしばあった。「でも、共有が必要な資料は菅原さんがいつもしっかり整えてくださったので、私はそれを添付するだけ。煩わしいことはひとつもなかったです。それから、移転前に使っていた家具の配置など、細かいオフィスの使い方まで相談に乗ってくださったのが助かりましたね。図面が変わる度に家具の配置も修正してくれて、引っ越し時にも困らずに済みました」(識学・H 氏)。
2017 年の移転の際も5 社コンペから勝ち抜き、グッドライフがPMとして設計デザイン・現場管理の全てを請け負っていた。移転元のオフィスは、綺麗なまま使用・管理されていた為、次の入居テナントへ居抜きオフィスとして引き継がれることになった。アフターケアから始まり、一つ一つの対応に丁寧に向き合あった結果、このようなオフィス移転が実現したようだ。