限りない工夫がコンパクトな空間をぐっと広げる
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限りない工夫がコンパクトな空間をぐっと広げる
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様々な古書店が軒を連ねる神保町。靖国通りに面したビルの2Fと8Fが、株式会社主婦の友インフォスの新しいオフィスだ。2016年8月の社名変更とともに移転。新しい環境に拠点を構え、会社に変化への刺激を与えたい、安藤社長のそんな想いが形になった。真新しいエントランスには、これまでに手がけたベストセラーや新刊書が並び、今後も出版の未来を感じさせる雰囲気を演出している。
以前のオフィスは築60年のビル。趣もあり、管理も良かったが、いかんせん空調のムラが激しかったり、手が届くほど天井が低かったり、とても快適とは言えなかった。東日本大震災でビル全体が大きく揺れたことも、移転を決めたきっかけのひとつだ。不動産仲介業者の紹介を経て、物件選びの段階からグッドライフがサポート。現状の広さや人数などからオーソドックスなレイアウトを想定して、最適なサイズの物件を検討していった。「 決めたビルは立地もよく、開放感があって、条件にぴったり。ただ、旧オフィスは1フロアに対し新オフィスは2フロアになる為スペースが限られていたので、空間が広く見えるプランニングを意識しました。採光を遮らないレイアウトにしたり、ドアはなるべく引き戸にしたりし、イメージや使い勝手がよければ、広さは随分カバーできるものなんです」(グッドライフのプロジェクトマネージャー・馬場氏)。
Point 01
社員を労るこだわりを、あちこちに散りばめて
新たなオフィスの理想像は、初めから明確に描かれていた。執務エリアも、デスクの構成や部署割りまで、ほとんど決まっていたという。あとは空調や照明などの既存設備を移動しないで済むよう、効率的な配置を考えていく。社長の強い希望で作られたのはリフレッシュエリアだ。8Fの窓際にカウンターを据え、外の景色を眺めながら食事や休憩ができるスペースで、社員からも好評を博した。
会議室は、スライディングウォールで分割できるのが特徴。大人数が入る経営会議などでは1部屋として使い、部署の打ち合わせは小分けして利用する。書庫スペースも以前よりやや狭くなったが、天井高を活かした天井まで届くキャビネットに変更して、収納量を確保した。スペースの変化は、様々な工夫で充分に補える。
その他の什器も、こだわって選んだものばかり。応接を兼ねた会議室には、お客様を温かく迎え入れる木製のテーブルと椅子を特注した。また、デスクワークが多い出版業とあって、執務エリアの椅子選びにはとりわけ神経を割いている。エルゴノミクスの製品をいくつか選び、各メーカーからサンプルをお預かりして約1週間使用した上で、社員全員から多数決を取ったそうだ。
「グッドライフさんの図面は、様々な什器が入る位置も明確です。製品の写真やサイズ、型番などがわかりやすく記載されているので、変更がある時も指示が簡単。オフィスの仕上がりが具体的にイメージ出来て、とても助かりました」と、主婦の友インフォスの担当者・M氏は振り返る。
Point 02
“かゆいところに手が届く” ディレクション
着工前にほぼすべてのプランが固まり、各種の申請も済んでいた為、工事はとてもスムーズだった。関係業者を集めた一斉打ち合わせで、進行をクリアにしたのもポイントだ。「どう進んでいくのか最初は不安でしたが、グッドライフさんが専門用語などもかみ砕いて説明してくれたので、安心してお任せできました。また、費用の内訳をまとめるにあたり、すべての明細をデータで頂けたのも有難かったですね。かゆいところに手が届く、きめ細やかな対応だと思いました」(M氏)。
そうして完成したオフィスは“空気が違う” と言う。まるでずっと前からここで働いているように思えるほど、社員たちが馴染んでいるそうだ。空間の明るさが、社員のテンションも高めているかのように思わせる社内では、これからどのような雑誌や書籍が生まれるのだろうか、楽しみである。