収録スタジオ併設という、未知への挑戦
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収録スタジオ併設という、未知への挑戦
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KIYO ラーニング株式会社は、オンライン講座を制作・提供する会社だ。講座の撮影・編集業務が日常的にあるけれど、以前のオフィスから収録スタジオまでは徒歩20 分。業務効率を上げる為、オフィスを移転して、スタジオやセミナールームを併設することが決まった。同時に、L字型で見通しが悪く、狭かった執務エリアも拡張することで生活空間に余裕を持たせ社員の満足度を上げたい。そうした要望を聞いて、コンペに参加したうちの1社がグッドライフだった。
当時のことを、KIYO ラーニング側の移転担当者・K氏はこう振り返る。「グッドライフさんは、他社と違って、初回からかなり具体的なレイアウトを提案してくれたんです。導線から役員席の配置、スタジオや執務エリアといったスペースの割り振りまで、とてもよくイメージが出来ました。」 そしてグッドライフは、以降のプランニングや進行、工事調整などをすべて手がけることとなる。
Point 01
専門家を招いて、効率的にプロジェクトを進める
新しいオフィスの広さは、前オフィスの約1.5倍。だがワンフロアの中に、新設のスタジオ、セミナールームまで効率良く収めなくてはならない。各スペースに必要な面積を確保する為、人の導線はなるべくオフィス内ではなく、共用部の廊下を活用した。廊下への出入り口が4ヶ所ある為、出入りが増えてもストレスはなく、合理的にレイアウトできた。
最大の難関だったのは、やはり収録スタジオ。スタジオ構築の専門知識がない中で、撮影部隊が希望する空間をどう作りあげていくかが肝となった。要望を丸呑みしていては、全体の予算を圧迫してしまう。けれど、削りどころがわからない。そこでグッドライフのプロジェクトマネージャー・馬場氏は、大手照明機器メーカーの舞台照明担当者に外部コンサルを依頼。なるべくハイスペック・ローコストになるスタジオ構成を検討していった。「プロに必要な機材を取捨選択してもらいつつ、私たちは内装コストを抑える工夫を盛り込んで、折衷案を作っていきました。たとえば、専門性の高い機材ではなく市販品を使うだけでも、コストはぐっと変わります」(馬場氏)
元々はフロアの最奥部、窓際に作る予定だったスタジオだが、外の音を拾わないようにフロア中央へ移動。竣工後も時々微妙な音が気になるという相談を受けて、外からの音漏れを防ぐような追加工事をしている。「使ってみて気づいた不具合を、しっかりアフターケアしてくれたのが助かりました」(K氏)
Point 02
厳しい納期でも、不安にさせないケア
デザイン面は、コーポレートカラーのオレンジと、ナチュラルな木目がベース。なかでも一際目を引くのが、エントランス横の来客スペースだ。オレンジの壁に、大きくロゴがあしらわれている。多くの人数が一度に使えるよう、椅子ではなくベンチを採用しているのも面白い。
プランニングから竣工までの工期は、トータルで4ヶ月。途中でレイアウトが変わったり、急遽インテリアも揃えることになったりと変更も多く、段取りは少し遅れた。ラスト1週間はかなりの作業工程を要する工事だったという。「工程が厳しいのはわかっていましたが、馬場さんや現場の方々が落ち着いて進めてくださっていたので、不安はまったくありませんでした」と、K氏は言う。最後には、納期もしっかりと間に合った。
オフィスプランニングのプロとはいえ、あらゆる専門知識があり、いつも完璧な予定通りで進行できるわけではない。それでもグッドライフが顧客からの信頼を得られるのは、必要な時に第三者の知見を借りたり、進捗を丁寧に説明したりしているから。お客様がいつも安心していられるように、多角的なフォローの体制が整っているのだ。