木製ルーバーが目を引くエントランスで、限られた空間を上質に
WORKS32
木製ルーバーが目を引くエントランスで、限られた空間を上質に
Share
事業拡大とテレワークの推進に伴い、管理部と営業部で拠点を分けることにしたアイテック株式会社。管理部は総務や人事の機能を担っている為、他社員のすぐ隣ではできない作業も多い。狭い空間にパーテーションを立てて機密を守るくらいなら、拠点を分けたほうが便利だ。オフィスの使用状況が徐々に変わり、あまり使われない会議室や執務エリアが増えたことも、移転を決めるきっかけの1つだったという。
撮影が行われたのは、来客対応もする営業部オフィス。ひとまとまりだった以前のオフィスに比べると、面積は3 分の1 ほど(管理部のスペースと合わせると) とコンパクトになっている。それでも前向きな移転であることがちゃんと伝わるように、エントランスのデザインには力を入れた。
「エレベーターを降りてすぐの空間は、実はあまり奥行きのない場所。でも木製ルーバーやレンガをふんだんに使い、思いきり横長にしつらえることで、すっきりと広く見せました。よい緊張感のある、印象的なエントランスに仕上がっています。間接照明の照度は、お好みで変えることも可能です」(グッドライフのプロジェクトマネージャー)。木製のルーバーも珍しいが、天井から廊下まで、これほどの面積を覆うデザインも斬新だ。床には玉砂利もあしらい、細部までこだわりを尽くした。「デザインは一発で決まりました。『これならうちの顔になる』と、満場一致で思えたんです」と、アイテック取締役執行役員のT 氏も振り返る。
Point 01
要望を詰め込んだ空間を、実現していくために
アイテックは、医業経営コンサルティングのグローバルカンパニーだ。数々の病院で、増改築や再整備を手がけてきた実績がある。その為、オフィス全体のレイアウトは、アイテック自ら叩き台を制作した。「会議室を4つに分け、広めの応接室を作りつつ、社長室も確保。執務エリアはフリーアドレスに……などと要望を詰め込んで、図面を作りました。そうやって場所の使い方や什器の配置を考えることはできるけれど、壁をどう立てるか、扉はどうするか、といった空間づくりの細かい部分は、グッドライフさんのノウハウに助けられましたね」(T 氏)。実際、アイテックが希望したレイアウトを叶えるためには、空調の分岐や増設が必要だった。「せっかく練り上げてくださったお客様のご要望なので、なるべくその通りにできるよう、現場調査や工事を重ねていきました。部屋や席の配置は、ほぼ頂いた図面のまま。でも、もっと使いやすくなるように動線を考えたり、広く見えるようガラスで仕切ったりして、20 回くらいは修正図面を出したと思います」と、グッドライフのプロジェクトマネージャーは微笑む。
エントランスと同様、お客様も使う会議室は壁紙や床材にこだわった。間仕切りにはスチールのパーテーションを使うのが一般的な中、一部の壁を造作にしたのだ。「造作の壁はパーテーションのように継ぎ目がないため、クロスがきれいに貼れて、見栄えがよくなります。音も聞こえにくくなるし、まるでホテルの一室のような仕上がり。お客様にも社員の方にも、会議にゆったり集中して頂けるはずです」(グッドライフ)。
Point 02
シビアな納期でも、最適な工事をスムーズに
移転後の反応も上々だという。「お客様はもちろん、社員からも好評ですね。動線がコンパクトになったおかげで働きやすいし、エントランスや会議室の見栄えもいい。2 拠点ある分行き来しなければならない場面はありますが、感染症などのことを考えると、オフィスが分かれているのはある意味リスクヘッジですと、T 氏。
2 つの拠点で同じ日に業務を開始することが決まっていたので、納期はかなりシビアだった。管理部は空調や照明がそのまま使える為、さほどの苦労はない。しかし、営業部は会議室を作る為に空間を区切ったり、空調や照明の移設工事があった為、工事に時間がかかったのだ。「一度天井を剥がしてダクトを通し、また天井を作り直さなければいけないので、職人さんの手配と工期はいつも気にかけていました。普段空調や電気の工事をする時は、それぞれの専門会社に依頼します。でも今回はとにかくスムーズに進める必要があったので、なるべく同じ会社にまとめて頼み、連携をよくしてもらいました」とのこと。スケジュールや工事内容によって最適な工事業者を選べるのも、周囲からの信頼とノウハウがあるグッドライフの強みだ。