オフィス移転を検討する際、最も重要になるのが費用計画です。
移転にかかる費用の全体像を把握するためには、まず費用の相場を知り、具体的な内訳を理解することが不可欠です。
一般的に、移転費用の概算は坪単価を基準に算出されます。
本記事では、オフィス移転に必要な費用の相場や坪単価、詳細な内訳、そして賢くコストを削減するための具体的な方法について詳しく解説します。
1.オフィス移転にかかる費用の総額相場は坪単価20万~50万円

オフィス移転にかかる費用の総額相場は、坪単価20万~50万円が一般的な目安とされています。
例えば、30坪のオフィスであれば、総額で600万~1,500万円程度の費用がかかる計算です。
この坪単価には、物件の契約金から内装工事、引越し作業費まで、移転に関わる一連の費用が含まれています。
ただし、この金額はあくまで概算であり、物件の立地やグレード、内装のデザイン、導入する設備の仕様によって大きく変動します。
【人数・坪数別】オフィス移転費用のシミュレーション
オフィス移転の予算を具体的にイメージするために、企業の規模に応じた費用シミュレーションを紹介します。
下記の金額は、一般的な相場である坪単価20万~50万円を基に算出しています。
自社の規模に近い例を参考に、予算計画の立案にお役立てください。
20坪(従業員10~15名程度)の場合:総額費用の目安:400万~1,000万円
50坪(従業員30~40名程度)の場合:総額費用の目安:1,000万~2,500万円
100坪(従業員50~80名程度)の場合:総額費用の目安:2,000万~5,000万円
これらのシミュレーション金額は、内装工事の内容や新規購入する什器の量によって変動します。
2.オフィス移転で発生する費用の全内訳を徹底解説

オフィス移転にかかる経費は多岐にわたります。
全体像を正確に把握するためには、どのような項目に費用が発生するのかを理解しておくことが重要です。
移転費用は、主に「旧オフィスの退去費用」「新オフィスの契約費用」「新オフィスの環境構築費用」「引越し作業とその他の諸経費」の4つに大別されます。
それぞれの内訳を詳しく見ていきましょう。
1)旧オフィスの退去にかかる費用
旧オフィスを退去する際には、主に「原状回復工事費」と「不用品の廃棄費用」という2つのコストが発生します。原状回復とは、入居時の状態に戻すための工事で、壁や床の修復、パーティションの撤去などが含まれます。
費用相場は坪単価5万~15万円程度ですが、契約内容やオフィスの状態によって変動するため、賃貸借契約書の確認が必須です。
また、移転に伴い不要になったデスクや椅子、書類などを処分するための廃棄費用も考慮に入れる必要があります。
2)新オフィスの契約にかかる初期費用
新オフィスの賃貸借契約時には、多額の初期費用が必要となります。最も大きな割合を占めるのが「敷金・保証金」で、賃料の6ヶ月~12ヶ月分が相場です。
このほか、「礼金(賃料の1~2ヶ月分)」「仲介手数料(賃料の1ヶ月分)」「前払家賃(入居月の賃料)」「火災保険料」などがかかります。
これらの項目を合計すると、月額賃料の10倍以上の金額になるケースも少なくありません。
物件によって各項目の金額は異なるため、契約前に必ず詳細を確認することが大切です。
3)新オフィスの環境構築にかかる費用
新しいオフィスで業務を開始するためには、快適で機能的な環境を構築するための費用がかかります。主な内訳は「内装工事費」「オフィス家具・什器購入費」「インフラ・通信工事費」です。内装工事には、壁や床の仕上げ、会議室の設置、エントランスのデザインなどが含まれ、移転費用の中でも特に大きな割合を占めます。
また、デスクや椅子、キャビネットといった家具の購入や、電話・LAN配線、電気系統の工事も必要になり、レイアウトの設計次第で費用は大きく変動します。
4)引越し作業とその他の諸経費
オフィス移転には、上記以外にもさまざまな経費が発生します。
まず、現在のオフィスから新しいオフィスへ什器や書類、機材を運ぶための「引っ越し作業費」が必要です。
これは荷物の量や移動距離、作業員の人数によって決まります。
その他、見落としがちな経費として、法務局で行う「本店移転登記費用」、Webサイトや名刺、会社案内パンフレットなどの「印刷物刷り直し費用」、取引先への「挨拶状の作成・郵送費」なども予算に含めておく必要があります。
3.オフィス移転のコストを賢く削減する5つの方法

オフィス移転には多額の費用がかかりますが、計画段階から工夫することで全体のコストを抑えることが可能です。
物件選びから業者選定、スケジュールの管理まで、様々な側面からアプローチすることで、限られた予算内で最適な移転を実現できます。
ここでは、移転コストを賢く削減するための具体的な5つの方法を紹介します。
【方法1】居抜き・セットアップオフィスを選んで内装工事費を削減
移転費用の大部分を占める内装工事費は、物件の選び方次第で大幅に削減できます。
「居抜きオフィス」は、前の入居者が使用していた内装や設備をそのまま引き継げる物件です。
これにより、レイアウト設計や内装工事にかかる費用と時間を節約できます。
また、「セットアップオフィス」は、ビル側があらかじめ基本的な内装や家具を備え付けた状態で貸し出す物件です。
どちらも初期投資を抑えたい企業に適していますが、デザインの自由度が低いという側面も考慮する必要があります。
【方法2】フリーレント交渉で二重家賃の負担をなくす
フリーレントとは、入居後一定期間の家賃が無料になる契約形態です。
オフィス移転では、旧オフィスの解約予告期間と新オフィスの契約開始が重なり、両方の家賃を支払う「二重家賃」が発生しがちです。
賃貸借契約を結ぶ際にビルオーナーと交渉し、フリーレントを付けてもらうことで、この二重家賃の負担を軽減できます。
交渉次第では数ヶ月分の家賃コストを削減できるため、移転スケジュールと合わせて検討することが重要です。
【方法3】既存のオフィス家具を再利用・買い取りに出す
新しいオフィスに合わせて全ての家具を新調すると、大きなコスト負担となります。
まだ使用できるデスクや椅子、キャビネットなどは、クリーニングや修理を行ったうえで再利用することを検討しましょう。
これにより、新規購入費用を大幅に削減できます。
一方で、不要になった家具は廃棄するのではなく、中古オフィス家具の買い取り専門業者に査定を依頼する方法があります。
処分コストを削減できるだけでなく、売却益を移転費用に充てることも可能です。
【方法4】複数の業者から相見積もりを取得して比較検討する
内装工事や引越し、通信工事など、オフィス移転には多くの専門業者が関わります。業者を選定する際には、必ず複数の業者から見積もりを取得しましょう。1社だけの見積もりでは、その金額が適正かどうかを判断できません。
複数の見積もりを比較することで、各作業の費用相場を把握できるだけでなく、サービス内容や担当者の対応も見極められます。
価格交渉の材料としても有効であり、結果的にコスト削減につながります。
【方法5】移転スケジュールを最適化して無駄なコストを防ぐ
綿密な移転スケジュールを立てることは、無駄なコストの発生を防ぐ上で非常に重要です。準備期間が短いと、業者選定の選択肢が限られたり、急な依頼による追加料金が発生したりするリスクが高まります。特に、旧オフィスの原状回復工事と新オフィスの内装工事の期間を適切に管理し、退去日と入居日をスムーズに連携させることが肝心です。余裕を持ったスケジュールを組むことで、二重家賃の期間を最小限に抑えるなど、計画的なコスト管理が可能になります。
4.【グッドライフ事例①】セットアップオフィスへの移転で内装費を削減
初期投資を抑えつつ、短期間で高品質なオフィス環境を整えたいという企業のニーズに応えた事例です。急成長に伴う人員増加への対応と、ブランドイメージの向上を両立させるため、内装完備の物件を選択することで、通常発生する多額の構築費用を大幅に圧縮しました。
■課題
・急な人員増加に対応するため、スピード感のある移転が必要だった。
・移転に関わる初期費用、特に内装工事費などのコストを最小限に抑えたい。
・採用活動への好影響を見据え、デザイン性の高いオフィス空間を求めていた。
■取り組み
・内装や什器があらかじめ設置されているセットアップオフィスを選択。
・自社でゼロから内装を設計・施工するプロセスを省き、入居までの期間を短縮。
・既存の洗練されたデザインを活かしつつ、自社の業務スタイルに合わせた微調整を実施。
■成果
・通常の内装工事と比較して、数千万円規模の施工コスト削減を実現。
・物件選定から入居までを短期間で完了させ、業務への支障を最小限に留めた。
・デザイン性の高い空間が社員のモチベーション向上や採用力の強化に直結。
詳しくはこちらで紹介しています。
https://goodlife-inc.co.jp/projects/045/
5.【グッドライフ事例②】居抜きオフィスへの移転で内装費を削減
グッドライフが手掛けた、居抜き物件を活用したオフィス移転の事例を紹介します。このプロジェクトでは、移転コストの大部分を占める内装工事費用を大幅に抑えつつ、企業のアイデンティティを反映した空間作りを実現しました。既存のインフラを最大限に活用することで、環境負荷の低減とスピード感のある移転を両立させたモデルケースです。
■課題
・移転に伴う多額の内装工事費用を可能な限り圧縮したい。
・退去までの期間が短く、短期間で新しいオフィスを稼働させる必要があった。
・コストは抑えつつも、自社らしい独自のブランドイメージを空間に表現したい。
■取り組み
・前入居者の内装や設備が残る居抜き物件を選択。
・会議室の壁や床の素材など面積の半分はそのまま流用し、執務室に絞ってリニューアルを実施。
・既存のレイアウトを活かしながら、自社の動線に合わせた家具配置を最適化。
■成果
・ゼロから内装を構築する場合と比較し、約50%以上のコストダウンに成功。
・工事期間を大幅に短縮し、物件契約からわずか1ヶ月での入居を実現。
・既存の良さを活かしたデザインにより、コストパフォーマンスの高いオフィスが完成。
詳しくはこちらで紹介しています。
https://goodlife-inc.co.jp/projects/032/
6.オフィス移転の費用に関するよくある質問
ここでは、オフィス移転の費用に関して頻繁に寄せられる質問とその回答をまとめました。
Q1)30坪のオフィス移転だと総額はいくらになりますか?
→30坪のオフィス移転の場合、総額の概算は600万~1,500万円が目安です。
この金額は、坪単価20万~50万円を基に算出したものです。
実際の費用は、内装工事のグレードや購入するオフィス家具の量、物件の契約条件によって大きく変動するため、個別の見積もりで詳細な金額を確認する必要があります。
Q2)移転費用を最も効果的に抑えるポイントは何ですか?
→移転費用で最も大きな割合を占めるのは「不動産取得費」と「内装工事費」です。
そのため、この2つのコストを抑えることが、予算削減に最も効果的です。
具体的には、前のテナントの内装を引き継げる「居抜き物件」を選んだり、家賃が一定期間無料になる「フリーレント」を交渉したりする方法が有効です。
Q3)費用の支払いが発生するタイミングを教えてください
→費用は移転のフェーズごとに発生します。
一般的に、移転前に新オフィスの敷金や仲介手数料、内装工事の着手金などを支払います。
移転作業後には、引越し代金の支払いや旧オフィスの原状回復にかかる経費の精算が発生します。
各経費の支払時期は契約により異なるため、事前に業者へ確認することが重要です。
7.まとめ

オフィス移転の費用相場は、坪単価20万~50万円が目安です。
主な内訳として、旧オフィスの原状回復費、新オフィスの契約初期費用、内装工事費や家具購入費、引越し作業費などが挙げられます。
これらの費用は、計画段階からの工夫で削減が可能です。
居抜きオフィスの活用やフリーレント交渉、既存家具の再利用、複数業者からの相見積もり取得といった方法を検討し、綿密なスケジュールを立てることがコスト管理の鍵となります。
まずは自社の規模に合わせて概算費用を算出し、具体的な計画を進めていくことが大切です。

