エントランスを入ると、右に執務エリア、左に会議室。正面のドアからは、そのままフリースペースにアクセスできる。「執務室を入口正面に持ってくるパターンも検証しましたが、本来は壁だった部分を扉に変えることで、正面にしなくてもアクセスがよくなりました。ですので、来客や他拠点の社員さんが使いやすいよう、フリースペースを中央に置くレイアウトを採用したんです」と、グッドライフのプロジェクトマネージャー・菅原氏。座り心地を重視して選んだふかふかのソファは、ショールームでいくつもの製品を見比べて選んだというこだわりの逸品だ。
移転に際し、インテリアに最もこだわったのは社長室。「TBSドラマ『半沢直樹』に出てくる頭取の部屋のようにしたい」という要望を受け、実際に撮影で使われた品番のタイルやカーペットを採用した。扉や壁はシックな色味でまとめ、豪奢なシャンデリアとソファをしつらえて、重厚感ある空間を生み出している。「建物自体が文化財なので、設計上いくつか細かな制限はありました。たとえば、壁についているモールディング(立体装飾)や厚みのある巾木は、なるべくそのまま残すこと。そうした細部を馴染ませつつ、隣り合う会議室やフリースペースとも統一感があるように、ご要望どおりの空間に仕上げています」(菅原氏)。会議室の壁をクロスではなく左官にしているのも、本物の素材を使うことで空間の高級感を演出するポイントだ。