社内はなるべく壁を立てず、低いキャビネットなどを使っていくつかのエリアに分けた。ひとりでデスクワークに没頭できる「こもる」エリアや、快適にテレカンしながら作業もできる「ひらめく」エリア、軽いミーティングやブレストにぴったりの「まとまる」「見つける」エリアなどを、社員がその日の仕事に合わせて選ぶ。作業に集中している人の隣で大声の会議が行われる、といったこともない。「300席の固定席はすべてなくしましたが、その分、社員が好きな環境を選べるように力を尽くしています。背もたれが高くておこもり感のある椅子に、航空機のファーストクラスを連想させるようなリクライニングチェア、昇降デスク、腰に優しいバランスチェア……など、様々な什器を取り入れているんです」と、バリューコマースのO氏。
奥の壁には企業ロゴをあしらった、フォトスペースもある。「エントランスがグループ会社との総合受付になっているため、情報発信に使うための当社らしいスペースが必要でした。デザイナーの役員が案を出し、ベストなサイズ感や施工の方法をグッドライフが考えてくれたんです」(K氏)。グッドライフのプロジェクトマネージャー・関東谷氏は「人間が立ってみた時、座ってみた時などのシミュレーションを繰り返して、一番綺麗に感じられる大きさで仕上げました。ブラインドからの直射日光が当たるため、時間が経って劣化することのないよう、シートではなく塗装を選んだのもポイントです」と語る。その他、入口に設けたオフィスコンシェルジュや、芝を引いてキャンプギアを並べたリフレッシュゾーンなど、随所に細かなこだわりが詰まっている。