エントランスは、会社の顔。洗練された印象を与えられるように、3 種類の床材を張るなど、デザインにはこだわった。「社員の私物を入れるロッカーは、収納というよりカウンターに見えるよう、置き方を工夫しました。今は天板にリアルな動物のぬいぐるみを増やして、動物園みたいにしようかと思っているんです」と、S 氏は笑う。
グッドライフのプロジェクトマネージャーが苦心したのは、設備の使い方だ。「ビル指定の設備工事をなるべく減らしたかったので、既存の空調や防災設備を活かしたレイアウトを考えました。目隠しの壁を立てずにエントランスのトイレを目立たなくしたり、柱を立てられない社長室には造作で天井を作って、ビスで間仕切りを止めたり……。職人さんにもご苦労をかけましたが、おかげでS 様のご要望に応えられたと思います」。
執務エリアは、将来的な人員増加に対応するべく、モバイルワーク用のスペースを充実させた。窓際の棚前にハイチェアを置き、天板をちょっとしたデスクとして使えるようにしたのだ。部屋の端には防音ブースを設置。オフィスにいてもWeb 会議などに集中できる為、社員に大人気だという。
リフレッシュエリアは、S 氏のこだわりで執務室の中央に配置した。「人が集まる場は真ん中にあるべき。くつろぐために、わざわざ部屋の隅っこに移動してほしくなかったんです。コロナが落ち着いたら、海外の企業にならって、朝食を用意するサービスもしたいと思っています。」